マスターが誘う、至高のジャパニーズウイスキー体験:サントリー「山崎18年」が世界を魅了した物語

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Photo by Angelyn Sanjorjo on Pexels 今宵もまた、グラスの音が静かに響く銀座の片隅で、私はカウンターに立っています。この場所で長年、数えきれないほどの物語を耳にし、そして、語り継いできました。今、皆様にお話ししたいのは、日本のウイスキーが成し遂げた、まさに歴史的な快挙についてです。 サントリー「山崎18年」、世界の頂点へ 皆様もご存知の通り、 サントリー「山崎18年」 が、この度、 世界の頂点 に輝きました。このニュースは、私どもバーテンダーにとっても、日本のウイスキーを愛する全ての人々にとっても、大変喜ばしい出来事です。銀座では、この偉業を記念した 特別イベント も開催され、多くの方がその極上の時間を体験されたことでしょう。 しかし、この「世界の頂点」という言葉の裏には、単なる受賞以上の、深く豊かな物語が隠されています。それは、一杯のウイスキーに込められた、途方もない情熱と歳月の結晶なのです。 一杯に宿る、山崎の風土と職人の哲学 日本の風土が生んだ奇跡の場所、山崎 「山崎」という名を聞いて、皆様は何を思い浮かべるでしょうか。サントリーの創業者、鳥井信治郎が日本初のモルトウイスキー蒸溜所として選んだこの地は、まさにウイスキー造りの理想郷でした。桂川、宇治川、木津川の三つの清流が合流し、豊かな地下水に恵まれた場所。霧深く、湿潤な気候は、ウイスキーの熟成を穏やかに、そして複雑に促します。この日本の自然、風土が、山崎のウイスキーに独特の個性を与えているのです。 時を重ねるごとに深まる、職人の技と哲学 「山崎18年」という名が示す通り、このウイスキーは18年もの長い歳月をかけて熟成されます。その間、樽の中で静かに眠りながら、様々な表情を育んでいくのです。サントリーのウイスキー造りの哲学は、この熟成過程に深く根ざしています。多様な原酒を造り分け、それぞれの樽が持つ個性を最大限に引き出すこと。そして、熟練のブレンダーたちが、それらの原酒を巧みに組み合わせ、一杯の芸術品へと昇華させるのです。 職人たちの哲学は、単に技術的なことだけではありません。日本の四季の移ろいを肌で感じ、ウイスキーという生き物と対話し続ける忍耐と...

グラスの向こうに広がる新世界:ペルノリカール社が注視する中国ウイスキーと『コニサー倶楽部』vol.10の深淵

グラスの向こうに広がる新世界:ペルノリカール社が注視する中国ウイスキーと『コニサー倶楽部』vol.10の深淵
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いらっしゃいませ。今夜はどのような一杯を?

このカウンターに立って長い年月が経ちますが、ウイスキーの世界は常に私たちを驚かせ、新たな発見へと誘ってくれます。近年、その潮流は実に多様になり、これまで想像もしなかった土地から、魅力的な琥珀色の液体が生まれているのを目にする機会が増えました。

静かに芽吹く、中国ウイスキーの可能性

ウイスキーと聞いて、皆様はスコットランド、アイルランド、あるいはアメリカや日本といった国々を思い浮かべることでしょう。しかし、今、静かに、しかし確実に、その地図に新たな光が当たり始めています。それが、他ならぬ「中国」でございます。

古くから独自の酒文化を持つ広大な土地で、ウイスキー造りが本格化しているという話を聞くと、思わずグラスを傾け、その背景にある物語に耳を傾けたくなりませんか?

世界の巨人、ペルノリカール社も参入

この新たな動きを、単なる流行と片付けることはできません。なぜなら、世界の酒類業界を牽引する大手のひとつ、あのペルノリカール社が、この中国のウイスキー市場、そしてその蒸留所の可能性に注目し、実際に参入しているという事実があるからです。

これほどの大企業が動き出すということは、その土地の風土、水、そしてそこで働く人々の情熱が、ウイスキー造りに適した確かなものを持っている証拠に他なりません。彼らがどのような哲学を持って、どのような味わいのウイスキーを生み出そうとしているのか。想像するだけで、胸が高鳴ります。

『コニサー倶楽部』vol.10が紐解く、知られざる現場

そうした知られざる中国のウイスキー蒸留所の現場、その深淵を覗き見る貴重な機会が、先日、私たちの手元に届きました。ウイスキー愛好家ならば誰もが知る専門誌、『コニサー倶楽部』のvol.10が、去る10月31日に発行されたのです。

この記念すべき一冊には、ペルノリカール社も参入する、その中国のウイスキー蒸留所の様子が詳細に記されていると聞いております。広大な中国のどこに、どのような蒸留所が生まれ、どのような職人たちが、どのような物語を紡ぎながら、日々ウイスキーと向き合っているのか。

蒸留所の歴史、職人たちの哲学、そしてそのウイスキーが生まれた土地の風土。これらすべてが、その一杯の香りや味わいの奥深さを形作る大切な要素です。『コニサー倶楽部』vol.10は、まさにその核心に迫り、私たちに新たなウイスキーの世界の扉を開いてくれることでしょう。

新たなウイスキーの旅へ

ウイスキーは、時間を超え、国境を越えて、人々の心を繋ぐ飲み物です。これまで知らなかった土地で生まれるウイスキーに想いを馳せることは、私たち自身の視野を広げ、新たな発見へと導いてくれます。

今夜、このグラスを傾けながら、遠い中国の地で、情熱を持ってウイスキー造りに励む人々の姿を想像してみませんか?そして、『コニサー倶楽部』vol.10を手に取り、その詳細な物語を紐解くのもまた一興かと存じます。きっと、その一杯が、また特別な味わいを持つことでしょう。

さあ、もう一杯いかがですか?

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